こんにちは、コトリ(@kotori_dq)です。
2019年11月19日にニコニコ生放送で放送された「超ドラゴンクエストXTV#13」にて、2020年春からドラクエ10のブラウザ版が提供されることが発表されました。
事前に『重大発表!』とうたっていた割に、「ブラウザ版が出ます!」というのは既存プレイヤーにとってはあまり重大ではなかったですね。
すでにプレイ環境を整えてドラクエ10を遊んでいる大部分の人にとっては関係のない発表でした。
しかし、スクエニが、既存タイトルの国内最大級オンラインゲームのブラウザ版を提供するというのは事実、重大なことです。
この「ブラウザ版」がドラクエ10で出るというのは、ふたつの側面が垣間見えたような気がします。
それは、
- ドラクエ10はスクエニの実験場であるということ
- スマホ・タブレットゲームはHTML5に対応したブラウザ版に移行していきたいという目論見
です。
今回は、この2点について自分の意見をまとめます。
ドラクエ10「ブラウザ版」発表!ドラクエ10はスクエニの実験場?
今までも、ドラクエ10は散々若手育成の土壌と言われてきました。
リリース前に「What if」を徹底検証していれば発生しなかったであろう不具合や穴も多いですよね。
「テストユーザーかよ!」って言いたくなるときあるゾ
既存顧客を満たすことも重要なゲーム開発の一部だということを念頭に置いておいてほしいですね(置いてくれているとは思います。)
マルチプラットフォームの実験
そんな中で発表された「ドラクエ10ブラウザ版」。
これまで、ドラクエ10は様々な機種で遊べるように開発されてきました。
Wii- WiiU
- PS4
- 3DS
- ニンテンドーSwitch
- dゲーム
- Windows
- ブラウザ版
多くは、Switch・PS4・Windows版の三本柱ですが、ここまでマルチに機種展開しているゲームはそうそうないですよね。
開発には当然コストが発生するので、考えなしに風呂敷を広げているわけではないでしょう。
- 既存タイトルの別プラットへの落とし込み
- ノウハウ・知識の蓄積
- 人材育成
- 潜在プレイヤーの取り込み
などが、おそらく目的になっているかと思います。
ドラクエ10がなぜ実験場に向いているのか
なぜドラクエ10が実験場や若手育成の土壌にされるのか。
以下の3点が思い浮かびました。
- 収益を上方させる必要がある
- 日本国内のみで運用している
- 「ドラクエ」というタイトルの影響力がでかい
収益を上方させる必要がある
どんな商売でもそうですが、まずは売上が必要です。
今のドラクエ10の収益がどれくらいなのか、具体的には知りませんが、大繁盛しているというわけではなさそうですよね…?
収益を上方させるには、
- 見込み客の取り込み
- 新規客の定着
- 既存客のロイヤルティ
が必要です。
ドラクエ10はいずれにしても収益を上げなくてはならないので、「現状維持」ではなく「施策」をばんばん打つ必要があります。
「施策」とは実験です。
「施策」がうまく噛み合ってドラクエ10の収益が爆上がりすれば万歳ですし、うまくいかなかった場合も「データ」として残ります。
スクエニのゲームはドラクエ10以外にもたくさんあり、今後も開発されていくでしょうから、失敗も成功も糧になるはずです。
ドラクエ10はプレイヤーも多く、フィードバックも上がりやすい環境なので、尚更施策=実験の価値が上がります。
日本国内のみで運営している
ゲームを開発するには、プロデューサー・ディレクターをトップにおいて、大きくは「チーム」として作り上げています。
他国でもリリースするとなると、言語やUIなどの開発費はもちろんのこと、各国の法律やプラットの普及率も影響してきます。
チームが大きくなればなるほど、フットワークは重くなるのが常です。
ましてや、スクエニ本陣は日本なので、ただでさえ各小チームからの意見の吸い上げには「ボミオス」がかかっているはず。
となると、7年組織として運営してきているドラクエ10チームは、比較的「施策」が打ちやすい環境で、実験に向いていると思います。
「ドラクエ」というタイトルの影響力がでかい
ゲームをやらない人でも「ドラクエ」を知っている人はめちゃくちゃ多いのではないでしょうか。
- 「ドラクエ」を知っているけどシリーズどれもやったことがない
- 「ドラクエ」をプレイしたことはあるけど「ドラクエ10」はやっていない
ドラクエ10は、発売されて7年以上経っていますが、まだまだ見込み客はいると思います。
「興味がある人は、もう取り込みつくした」状態にはまだなっていないと思います。
収益を上方させるには、「見込み客の取り込み」が重要な要素の一つと先ほど言いましたが、この点にまだポテンシャルがあるのではないでしょうか。
具体的には、「ドラクエ世代」の取り込みです。
ドラクエ世代とは、初代ドラクエが発売された1986年頃に小・中学生だった人たち。
現在のアラフォー世代ですね。
アラフォーとなると、仕事だったり子育てだったりで忙しく、腰を据えてゲームをプレイできる環境にない人も多いかと思います。
でも、ゲームは好きな人が多いんです。
4Gamer.netさんがまとめた、一般社団法人 日本オンラインゲーム協会(JOGA)の2018年6月「オンラインゲーム・マーケティングセミナー」によると、
据え置きハードは10~20代の利用者が多いものの、androidスマホのアクティブゲームユーザーは、男女ともに40代がトップです。
また、当時の「モンスターストライク(モンスト)」や「ファイナルファンタジーレコードキーパー(FFRK)」の平均年齢は41歳とやや高め。
ドラクエ世代と合致します。
ソシャゲと比較するのは難しいですが、ブラウザ版で手軽にソロでストーリー攻略くらいならやってみたい人も多いかもしれませんね。
ドラクエ10はソロでストーリーを追うだけでも楽しめるゲームです。
そこで、やってみよう!と見込み客→新規客にならなかったとしても、「ドラクエ」というタイトルが持つ力は絶大です。
スクエニこんなことやってるのかーとリマインドさせるだけでも意義はあります。
反して、FF14なんかは、国内での見込み顧客ってDQXプレイヤーくらいしかもうないと思うの(それが大きいけど)。
「ブラウザ版開始」と聞いて、既存プレイヤーからすると、今後スクエニから出るゲームのポテンシャルや新規獲得の施策よりも、「今私たちが遊んでいるドラクエ10をもっと充実させてくれ」と思うのは自然なことです。
ですが、少子高齢化社会は衰退します。
何度も言うように、新規プレイヤーが増えることは、既存プレイヤーにとってもメリットです。
スマホ・タブレットゲームはHTML5ブラウザ版に移行するか?
FF13など、すでにブラウザゲームを開発しているスクエニですが、世の中では、スマホ・タブレット端末でのゲームといえばまだまだアプリが主流です。
しかし、先の時代を見据えると、モバイルゲームはHTML5ブラウザゲームにシフトされていくのではないかと言われています。
理由は、
- 開発・ブラウザ上の技術の進化
- 様々なデバイスに対応している
- Google PlayとApple Storeの手数料が発生しない
- 2020年春にいよいよ「5G」が来る
あたりでしょうか。
開発・ブラウザ上の技術の進化
ひと昔前の「ブラウザゲーム」のイメージでは「Flash」が主流でしたが、2020年でFlashは終了します。
最近のブラウザゲームは「HTML5ゲーム」とも呼ばれていて、『HTML5』というプログラミング言語を用いて作成されています。
「超ドラゴンクエストXTV#13」でも紹介された、開発中の「ドラゴンクエスト10ブラウザ版」を見てもわかる通り、かなりヌルヌル動いているようです。
実際の操作感を試すのが楽しみですね!
様々なデバイスに対応している
PS4、Switch、Windows版…とプラットが分かれていると、それぞれに開発が必要です。
ブラウザ版の強みは、HTML5に対応しているブラウザさえあれば機能するところです。
HTML5に対応しているブラウザ
具体的には、
- Chrome 3.0以降
- Safari 3.1以降
- Firefox 3.5以降
- Opera 10.5
- Internet Explore 9
などです。
これらが搭載されているデバイスであれば、スマホでもタブレットでもTVでも遊べるようになります。
この手軽さは大きいですね!
Google PlayとApple Storeの手数料が発生しない
アプリの場合、Google PlayやApple Storeを通じてダウンロードをしますが、課金をする際に手数料が30%もかかるそうです。
ブラウザ版の場合、自社で管理する必要はでてきますが、スクエニの場合はスクエニアカウントがすでに機能していますので、この30%のコストを削減できれば大きいですよね。
なので、アプリ版よりもブラウザ版を浸透させたいのは自然なことと考えます。
2020年春にいよいよ「5G」が来る
一方、現時点でブラウザ版がアプリより劣っている点の一つとして、通信速度があげられます。
ブラウザの場合、データを通信しながら映すのですが、アプリであれば事前にダウンロードする仕組みなので、ゲーム中に通信する機会が減ります。
そこで、この通信量のデメリットを解消するかもしれないのが、次世代の移動通信システム「5G」です。
長めに生きている人であれば、これまでも「3G」から「4G」になり、通信速度が上がったことを体験しているかと思います。
「5G」が登場すれば、理論上は100倍の速度、実際の運用でも20倍くらいのスピードになるのではと予想されているそうです。
5Gは2020年春に商用運用開始と言われていますので、ちょうどドラクエ10ブラウザ版の正式サービス開始と合致します。
5Gが一般に普及するのにはもう少しかかりそうですが、おそらく、5G時代を見据えてのスクエニの試みなのかなと思いました。
最先端の技術で、ドラクエ10が遊べるとなるとワクワクしますね!
まとめ:ブラウザ版ドラクエ10ベータテスター募集
ということで、「ドラクエ10はスクエニの実験場にされているなぁ~」と思うことは、今までも都度あったのですが、今回のことでもより強く感じました。
ただし、それは、決してスクエニはユーザーの方向を見ずにトライアル&エラーを繰り返すだけということではなく、Win-winじゃないかなという目線で記事を書きました。
まぁ単なる「想像で物語る系記事」ですが、願わくばスクエニのドラクエに対する目線が近しいものであれば嬉しいです。
最後にお知らせです。
既存のドラクエ10製品版プレイヤーを対象に、ブラウザ版ドラクエ10のβテストが行われます。
ひと足早く「ドラクエ10ブラウザ版」を体験してみたいですね!
- ベータテスト募集期間:2019年11月26日(火) 11:59まで
- ベータテスト期間:2019年12月2日(月) 12:00頃 ~ 12月20日(金)昼11:59まで
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